広がる大麻解禁 議論も白熱 医療用使用は「転換点」に近づく


米国で大麻(マリフアナ)を解禁する動きが広がっている。医療目的の使用は北西部ワシントン州など18州と首都で合法化され、議論の転換点になるともいわれる全50州の半数が迫ってきた。ワシントン州では医療目的以外での所持も昨年12月、全米で初めて合法化され、嗜(し)好(こう)品としての売買も解禁される予定だ。現地で大麻をめぐる最新事情を探った。(ワシントン州シアトル 犬塚陽介、写真も)


画像:大麻専門取扱店グリーン・アンブローシアの大麻陳列棚。10種類以上の大麻が並び、患者の症状に応じて処方されるという

■警官も立ち寄り

シアトル中心部から車で北西に約20分、商店が軒を連ねるバラード地区の大通り沿いに、「ディスペンサリー(診療所・薬局)」と呼ばれる大麻専門の店「グリーン・アンブローシア」があった。

外壁は一面が軍艦色のグレー、窓にはスモークが張られて中はうかがえない。「過剰宣伝は必要ない。患者が医薬品を求めて出入りするだけだから」。創設者のダンテ・ジョーンズ氏(33)が説明した。

入店のさい、ワシントン州発行の身分証明書と、医師の処方箋を提出しなくてはならない。天井が高く、ゆったりとした造りの店内には、ビン詰めの10種類以上の乾燥大麻のほか、大麻入りのクッキーや飲料、塗布用クリーム、自宅栽培用の鉢植えが並んでいた。

ジョーンズ氏は「われわれには先駆者としての自負がある」と法令順守を強調する。巡回中の警察官が、あいさつに立ち寄ることも珍しくないという。

ゲーム開発者だったジョーンズ氏は15年前、ロッククライミング中に滑落。「医師が30カ所まで骨折を確認し、そこで数えるのをあきらめた」ほどの重傷を負った。

痛みや不安感、食欲不振を乗り越える手助けとなったのが大麻だ。独学で効用を学び、2011年5月に宅配サービスを始めた。12年12月の合法化を受けて5カ月前に店舗を構えた。

非営利団体の形態で職員は6人。患者から大麻の代価を「寄付金」の形で受け取り、活動費用を除いた利益は慈善団体などに寄付する仕組みだ。シアトルには似たような形態の店が約120あるという。

職員は症状を聞きながらアドバイスする。価格は1グラム当たり10~12ドル(約980~1180円)。シアトルで密売人から購入すれば約16ドルが相場という。

母親が大麻を処方されているというIT企業勤務の男性(32)は、専門店の大麻は純度も問題ないと指摘する。「密売品には(合成麻薬の)LSDなどが混入されるケースも多い。ハードドラッグへと購入者を誘うためだ。そんなものを母親に渡せない」と、効用を訴えた。

■嗜好品か入り口か

医療用からさらに進み、嗜好品としての大麻使用を許可したのが、ワシントン州とコロラド州で成立した新法だ。ワシントン州では21歳以上の市民による大麻1オンス(約28・5グラム)の所持が認められ、患者なら自宅栽培も可能になる。

大麻で中毒に陥る可能性はたばこやアルコールより低く、過剰摂取で死亡したケースはない-というのが推進派の見解だ。だが、連邦政府の見方は異なる。

国家薬物管理政策局が作成した大麻合法化をめぐる概況報告書によると、12歳以上の1700万人が使用し、年間37万人が緊急治療室に搬送されている。

依存性や精神疾患との関連も指摘している報告書は、大麻について「現時点で広く認められた医療目的の用途はない」とし、コカインや覚醒剤より危険な薬物と位置づけている。

薬物政策トップのカーリコウスキー同政策局長も4月の講演で、「最も責任ある公共政策は(大麻の)入手可能性を制限し、使用を思いとどまらせることだ」と述べた。連邦法は大麻の所持を禁じている。

常習性や乱用についてはさまざまな見解がある。しかし、薬物管理政策局のような医療面の効用を否定する見解は、「時代錯誤」だという見方も根強い。

大麻は、より強力な薬物へと誘う「ゲートウェイ・ドラッグ」(入り口の麻薬)と位置づけられてきた経緯があるため、「過剰な規制が敷かれている」とジョーンズ氏はいう。

「同性婚のように多様な価値観を受け止めるのが米国だ。(シアトルを)大麻のシリコンバレーにしたい」と話す同氏は、酒やたばこと同様に、使用する側の自己規制が重要だと主張している。

■中高生の6・5%が吸引

大麻が身近になれば、未成年の乱用が増える可能性もある。米国立衛生研究所が昨年12月に発表した調査結果では、日常的に大麻を吸引する中・高校生は6・5%。過去1年以内に吸引した経験のある生徒は36%に達した。

合法化の影響は一般企業にも及ぶ。IT企業の管理職にある女性(48)は「大麻は酒と違って、吸引しても臭わない。職務中に使用したとして、どうやって見抜けばよいのか」と指摘した。態度の変化を理由にすれば、“パワーハラスメント”ととらえられる懸念もある。

医療目的か嗜好品かを問わず大麻を合法化した州と、使用を禁じる連邦政府。矛盾を解消するため、4月には州法を順守する国民には連邦法を適用しないことを柱とする法案が下院に提出された。

米国最大の人権団体「米国自由人権協会」の調査では、大麻所持取り締まりに年間36億ドルが投じられている。解禁してこのコストをなくし、将来的には税収も見込む一石二鳥の現実主義も台頭している。

この方針にはリベラルな人々と並び、財政健全化を支持して政府の干渉を嫌う一部の保守層も賛成している。半面、社会的な道徳観を尊重する人々からは反発を招いており、保守派も一枚岩ではない。米国社会に息づく意見の多様ぶりが、大麻の問題でも浮き彫りとなっている。


画像:大麻専門取扱店グリーン・アンブローシアに陳列された大麻入りのクッキー。食物として摂取することで、効果の持続時間などを調節できるという

◆米の医療用大麻使用
…大麻はガンや多発性硬化症といった病気の痛みや不安の緩和、食欲増進などに一定の効果があるともいわれる。全米で100万人以上が使用しているとのデータもある。解禁には販売を認可制にして透明性を高める狙いがある。

(参考:産経ニュース – 広がる大麻解禁 議論も白熱 医療用使用は「転換点」に近づく

やっぱりアメリカが変わると、日本のメディアもこういう報道をしはじめるんですね~(苦笑い) (kg)


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