イギリスでもじわり漂う大麻容認の空気


イギリスでもじわり漂う大麻容認の空気

<もちろん違法なのに、イギリスで大麻はあまりに一般化しすぎてもはや少量の所持では逮捕もされない。いっそ合法化したほうが利点があると、政治的動きも活発化するが……>

先日ロンドンの公園を歩いていたとき、友人が突然いたずらっぽく言った。「ああ、夏の匂いがする」
 
おかしいのは、僕のところにその匂いが漂ってくる前から、友人の言いたいのはつまり、近くで誰かが大麻を吸っているという意味だとピンときたこと。イギリスでは大勢の若者(あるいはほどほどの年の人々)が大麻を吸っており、夏ともなれば公園や公共の場で大っぴらにふかしている。

その匂いはとても独特で、一度知ったらいつどこでだって気が付くだろう。僕の住む家の通りにも、大麻の匂いがふわりとただよっている。すぐそこの小さなアパートで、若者が集まって窓を大きく開け、大量の大麻を吸っているからだ。

もちろん大麻は違法だが、警察は少量の大麻所持くらいで逮捕はしない。大麻はあまりに広まっているから、警察が「嗜好目的で使用」の容疑者を片っ端から逮捕して回ったら、ほかの仕事が一切できなくなるだろう。

ただでさえイギリス警察は人手不足だから、空き巣事件などは事実上、捜査をあきらめている。警察は麻薬密輸業者や密売人を逮捕することにこそ力を入れているものの、若者が大麻を吸うことには目をつぶっている。

こうした公共の場での薬物使用のように、公然と法律を無視する行為に、激しい怒りの声をあげる人々もいる。法があるのにそれを施行しない(実際のところ、法の無視を黙認している)ことは、法の尊重をないがしろにする効果がある、という意見には僕も賛同する。

僕は、大麻使用の有害な影響も見てきた。軽度の例としては、大学時代に日常的に大麻を吸っていた友人たちが、次第に成績を悪化させていったこと(1人はあまりに落ちこぼれて1年間の停学処分になった)。悲惨な結末としては、精神的な問題を抱えていたある若者が、大麻で極度に症状を悪化させてしまった例を僕は知っている。彼は以前からあるトラウマにさいなまれていたが、大麻で「自己治療」しようとして取り返しのつかないほど悪化してしまった。

1930年代アメリカの禁酒法のよう

一方で、合法化に賛同する論調も目にする。大麻を合法化することで、状況を改善させられるというものだ。認可を受けた店だけが18歳以上の客だけに限定して販売できるよう、また、起こり得る有害な結果をきちんと警告表示することができるよう、法律によって規制すべきだ、と。大麻に課税すれば、政府の収入源にできるだけでなく、大麻価格をあまり気軽に買う気が起きないレベルに引き上げることもできる(今のところ、大麻を吸うのはアルコールを飲むのよりかなり安い。それこそ、若者が大麻を好む理由の1つだ)。

そのうえ、合法化で犯罪組織の収入源も奪われるし、もしかしたら一部の大麻使用者がよりハードなドラッグに手を出すのを抑止することができるかもしれない。その理論はつまり、現状では大麻を買ううちに、大麻だけでなくコカインやヘロインなどの「よりハードな」ドラッグを売る密売人に何度も接触するようになるということ。密売人はこう言って盛んに勧めてくる。「大麻が気に入ったなら、これもきっと気に入るよ……ほら、1回タダで試してみろよ……」

大麻解禁の声は、若者や「ヒッピー系」からばかり上がっていると思われがちだが、今年になって強引にこの議論を持ち出したのは、英保守党の元党首ウィリアム・ヘイグだ。彼は、これまでのドラッグ論争は「徹底的に取り返しのつかないほど負け」だったと主張。今やあらゆる政党から多くの政治家が大麻合法化を呼び掛けており、中には「医療用に限って」賛成という議員もいる(重度のてんかんや多発性硬化症のような症状に効果があるようだ)。

事実上、イギリスの大麻合法化論争は、1930年代アメリカの禁酒法のようなものだ。当然許されるべきだと多くの人々が考えているものを国が禁止しようとし、人々は法を無視してまでそれを手に入れるようになり、結果としてその状況が犯罪組織を潤わせる。

それでも僕は、政府が大麻合法化に踏み込むとはどうしても思えない。何らかの危険性があり違法だったものに対して、単純に「降伏して」合法化する、などということには、「平均的なイギリス人」なら拒絶反応を示すだろうから。

僕には解決策が分からないし、合法化に賛成も反対もしていない。今回このブログで取り上げたのは、これが現代イギリスの悩ましい難題であり、「嗅覚」のある人なら誰しも気付いている問題だからだ。

参考:News Week Japan – イギリスでもじわり漂う大麻容認の空気

「精神的な問題を抱えていたある若者が、大麻で極度に症状を悪化させてしまった例」
これは、大麻が悪いというよりも、精神的な問題を抱えている人は大麻に惹かれやすいってことだと思いますヨ。(同じことがお酒でもあるよね~)

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