大麻ビジネス参入、米金融街は無関心でいられるか


大麻ビジネス参入、米金融街は無関心でいられるか

マリフアナ(大麻)の臭いは紛れもなく米金融街に漂っている。連邦規制に警戒感を抱く銀行は、手を出すそぶりは見せていないが、いつまでも無関心ではいられないだろう。

 連邦法に従うということが単に、手持ち資金が有り余っていても大麻ビジネスには手を出さないことを意味していた時代には、銀行が誘惑に耐えるのはたやすかった。北米の数千万人が合法的に大麻を使うことができるようになり、その数が大幅に増える見通しとなる中、金融機関は他の米企業に取り残されている。

 「マールボロ」ブランドを擁する米たばこ大手のアルトリア・グループは先月、大麻栽培業者に18億ドル(約1970憶円)を出資すると発表。米国で「コロナ」ビールを販売する同国酒類製造・販売大手のコンステレーション・ブランズはそれに先立ち8月、40億ドル近い出資を決めていた。米飲料大手コカ・コーラやペプシコの幹部も、大麻事業の動向を注視していると明かしている。

 初の大麻関連ミューチュアルファンドを運用するアメリカン・グロース・ファンドのティム・タガート社長は、「米金融街は非常に強い関心を持っている」と語る。ただ、自身の経験から、金融機関が規制当局を警戒していることが分かるという。タガート氏のファンドは栽培設備メーカーの米スコッツ・ミラクル・グローなど「マリフアナの葉には触れない」企業だけに投資しているにもかかわらず、取引先銀行に関係を絶たれたという。

 大麻業界は急成長している。転換点となったのは、カナダが昨年10月に下した全面的なマリフアナ合法化の決定かもしれない。合法化を受け、ベンチャーキャピタルの投資や買収案件が殺到した。2018年終わりまでには、トロント証券取引所に大麻業者8社が上場。傘下のTSXベンチャー取引所には37社が上場した。

 一方、米国の情勢は見通しにくい。カリフォルニア州など大麻を合法化した州では、起業家が大麻風味のチョコレートトリュフやジュースの開発にいそしんでいる。次に合法化が決まる大きな州はニューヨークかもしれない。ただ、連邦政府はいまだに大麻をヘロインと同じ規制薬物として「スケジュール1」に分類しており、大麻関連の資金を扱えば犯罪ほう助と見なされる恐れがある。法的リスクを回避するため、米国の新興企業メッドメンやグリーン・サム・インダストリーズはカナダ市場で始動せざるを得なかった。

 カナダの大麻関連銘柄の一部は米取引所に上場しているが、大手企業は投資を控えている。カストディ(証券の保管・管理)サービスを請け負う取引先銀行に決済を拒まれるからだ。大麻企業iAnthus(アイアンサス)のハドリー・フォード氏は、米機関投資家のリスク意欲はカナダの投資家に比べ2年は後れを取っていると指摘する。「2年前には、米機関投資家から全く資金を取り込めなかった。今は当社の株主全体の10〜12%を占めている」

 そうなると恩恵を受けるのはほとんど個人投資家だ。大麻関連銘柄の値動きが激しい理由の一つはそこにある。もう一つの理由として、大麻株の桁外れなバリュエーションに目を付けた空売りが大きい。マークイットのデータによると、カナダの大麻栽培会社キャノピー・グロースやオーロラ・カナビスといった大手企業では、発行済み株式の最大15%が信用取引となっている。

 米金融街はいつまでも手をこまねいてはいないだろう。米連邦法が大麻を禁じているため、米金融機関はすでにカナダの同業が大麻事業の投資や新規株式公開(IPO)ラッシュを根こそぎさらっていくのを眺めるほかない。調査会社ディールロジックが公表した大麻関連の18年投資案件ランキングは、カナコード・ジェニュイティやBMOキャピタルなどカナダの投資銀行が独占した。評判をリスクにさらす心配の少ないブティック型銀行も投資に参画している。

 今や大麻事業には相当な資金が流れ込んでいる。ビリディアン・カンナビス・ディール・トラッカーによると、18年10-12月期だけでも、世界の大麻関連企業の資金調達は総額79億ドルに上った。これは17年通年の調達額の2倍近い。消費財大手による投資は大麻産業のイメージ向上につながっている。

 米銀は法律が改正されるまで、工夫を凝らさねばならない。投資銀行ラザードは、アルトリアが同社カナダ法人を通して医療用大麻大手クロノスの株式45%を取得した際、助言会社の役割を担った。ゴールドマン・サックスはコンステレーション・ブランズによるキャノピー・グロースへの投資で助言したが、投資対象がカナダ企業だったため、クライアントが連邦法に違反する手助けをしたと批判されることはなかった。

 それでも、本物の賞金が狙えるのは米市場だ。デロイトによると、カナダでは今年、大麻製品市場が54億ドルの規模になるとみられる。他社より慎重なグランド・ビュー・リサーチの推計では、米国の大麻市場規模は25年に約500億ドルに達する見通しだ。翻って米国の酒類市場に目を向けてみよう。ユーロモニターによると、禁酒法が廃止されてから約100年となる今年、売上高は総額810億ドルと予想されている。

 今世紀始めのスマホ市場とは異なり、大麻には既に需要がある。その大半が表面化していないだけの話だ。家内工業の寄せ集めを、機関投資家が支援したがるような安定した本格的な産業部門に変貌させれば、膨大な報酬を稼ぐことができる。こうした流れからもっと恩恵を受けられないのはなぜかとクライアントが問い始める中、大手の資産運用会社や米銀にとっては、意志の力とロビー活動の影響力が試されることになる。

参考:The Wall Street Journal – 大麻ビジネス参入、米金融街は無関心でいられるか

大麻解禁の流れは もう止まらないですよね。
あと2年もしたら、、、2019年現在の状況を 大麻でも吸いながら笑い話にしているんだろーナ~♪

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