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コロナ禍に大麻吸入器メーカーの売上が急増、全米での合法化を見据え転換期を迎える大麻業界

2020年10月7日 水曜日

コロナ禍に大麻吸入器メーカーの売上が急増、全米での合法化を見据え転換期を迎える大麻業界

世界的なパンデミックで大麻に興味を持つ人が急増しており、吸入器メーカーは記録的な売上を達成している。TechCrunchの取材に対し、スタートアップから大手メーカーまで複数の主要メーカーが、「コロナ危機が始まって以来、売上が増加している」と語った。供給量が制限されていることもあって、一部の上位モデルの吸入器は品薄となっており、各メーカーは増産対応に追われている。

一部のメーカーのCEOらは、パンデミックによって大麻が消費者に広く受け入れられるようになり、全米での合法化を求める声が高まっている状況を目の当たりにしている。合法化されれば、新たな消費者が市場に入ってくるため、Canopy Growth(キャノピー・グロース)、PAX(パックス)、Grenco Science(グレンコ・サイエンス)などの企業は市場トップ水準の大麻吸入器メーカーとして利益を享受することになるだろうが、肝心の製品が品薄ではそれもかなわない。

こうした品薄の原因の一部はサプライチェーンにあるが、品薄に苦しんでいる大麻関連製品だけではない。米国市場では現在、自転車からカヤックまで、多くの製品が品薄になっている。そうした製品は、もともと供給量が少なかったが、需要が増大したため、品薄に拍車がかかっている状態だ。

2012年に創業されたグレンコ・サイエンスは、ドライハーブの吸入器市場では早期参入組である。同社は2019年、シリーズAで資金を調達し(金額は非公開)、革新的な製品を開発、リリースした。さらに、安価な水ろ過式携帯型コンセントレート吸入器DashとRoamを2020年の初めに市場に投入する準備を整えていた。

ちょうどそのタイミングで新型コロナウイルスのパンデミックが発生した。

CEO兼共同創業者のChris Folkerts(クリス・フォルカーツ)氏によると、RoamとDashのリリースは延期されたが、製品を市場に投入する余力はまだ残っていたという。

フォルカーツ氏は次のように語る。「(パンデミック発生後も)引き続き成長を維持し、製品パイプラインを大幅に拡張できたと思っている。今年の後半にいくつか製品をリリースする予定になっており、買収後に新しいデザインのStundenglassを投入できると思う」。

実際、グレンコは、パンデミックの最中でも2つの製品のリリースや他メーカーの買収で大忙しだった。そして、その忙しさはまだ続くようだ。消費者のドライハーブへの興味が急速に高まっている一因は、同社がリリースしたDash吸入器ではないかとフォルカーツ氏は言う。グレンコは、さらに3つのドライハーブ吸入器をリリースする予定だ。

フォルカーツ氏は、現在に至るまでに、特に顧客サポートや製品出荷に関して問題に直面してきたことを認めている。オンラインショップや代理店経由で注文が殺到したが、それに対応する準備が整っていなかったのだ。そこで、かなりの人数の社員を再教育して、製品・出荷サポート担当として直接、顧客対応を行わせた、と同氏は語る。

キャノピー・グロース傘下の有名な吸入器販売会社Storz & Bickel(ストーズ・アンド・ビッケル)も顧客サポートの問題に頭を悩ませている。どのユーザーフォーラムを見ても、同社の顧客対応が追いついていないことは明らかだ。出荷が遅いとか、顧客対応が悪いといったクレームが購入者から寄せられている。同社のウェブサイトstorz-bickel.comに掲載されている商品の大半には、正規代理店には在庫があるにもかかわらず、「残りわずか」の警告が表示されている。

キャノピー・グロースのグローバル吸入器部門担当副社長Andy Lytwynec(アンディ・リトイネック)氏によると、ストーズ・アンド・ビッケルは予想を越えて急速に成長し、急ピッチで生産拡大が行われ、「ドイツの工場では、高まる切迫感の中で30人の社員が追加採用された」という。

2000年、 ストーズ・アンド・ビッケルは、世界初のデスクトップ型ドライハーブ吸入器と言われているVolcanoをリリースした。同社は現在、2種類のVolcano、およびVolcanoと同じ技術を用いた数種類の携帯型吸入器(いずれも医療用として認可済)を販売している。2018年、キャノピー・グロースはストーズ・アンド・ビッケルを買収し、他の吸入器ブランドをストーズ・アンド・ビッケルに統合した。

リトイネック氏は、ストーズ・アンド・ビッケルは新型コロナウイルスの影響度を判断するためのある種のバロメーターだ、と指摘する。キャノピー・グロースの最新の四半期報告によると、売上は増加しており、第1四半期が終了する6月末までに71%の売上増を記録した。財務報告書によると、この売上増の主な要因は、ストーズ・アンド・ビッケルの売上増と代理店販路の拡大であるという。

パンデミックの最中、消費者が購入したのはドライハーブだけではない。濃縮大麻吸入器のメーカーの売上も増加している。

Puffco Peak e-rigという優れた吸入器を製造するPuffco(パフコ)も売上が急増した。パフコの創業者Roger Volodarsky(ロジャー・ボロダスキー)氏はTechCrunchに次のように語った。「パンデミック発生以降、多くの新規嗜好者が大麻市場に入ってきたようだ。パフコでは、この期間、創業以来最大の売上を記録した。さまざまな課題に直面している中で、継続的に成長できていることに感謝している」。

パフコの製品は、粉ではなく、濃縮大麻で使用するように設計されている。濃縮大麻というカテゴリーは、大麻の吸入器市場でこれから大きく伸びることが予想される。乾燥粉末と、いわゆる携帯用ペン型吸入器との中間にあたるカテゴリーだ。

Jupiter Research(ジュピター・リサーチ)は、CCELL吸入ハードウェア販売の最大手で、米国を含む世界の規制された大麻市場でビジネスを展開している。事前にパッケージングされた自給型THCカートリッジであるCCELL市場で、ジュピター・リサーチは新型コロナウイルスの影響をほとんど受けなかった。

ジュピターの最高執行責任者兼社長のTim Conder(ティム・コンダー)氏は次のように述べている。「少なくともデータを見る限りでは、吸入器市場全体で新型コロナウイルスの影響による大きな変化はなかった。実際、当社は吸入器カテゴリー全体で市場シェアを伸ばし続けている。吸入器(ベイブ)は、大麻ヘナ粉末で2番目に大きなカテゴリーで、3番目は食用だ」。

コンダー氏は、新型コロナウイルスがきっかけとなって、大麻に対する政府の姿勢が変化する可能性があると見ている。「大麻合法化の動きが連邦レベルで勢いを増しているように感じる」と語る同氏は、各州政府にも連邦政府にも、全米の合法大麻市場によってもたらされる財政上のメリットに注目してほしい、と考えている。

他の大麻関連機器メーカー企業も、新型コロナウイルスによって米政府が大麻をさまざまな角度から見るようになった、という見方に同意している。

ウィスコンシン州に本社を置くDynaVap(ダイナバップ)によると、大麻に対する一般大衆の認識は、社会的な受容に向けた機運の継続的な高まりと同調する形で拡大してきたという。DynaVapの創業者兼CFOのEric Olson(エリック・オルセン)氏は、「大麻草にはプラスの効能さえあり、新型コロナウイルスの影響を軽減するのではないかと思う」と指摘する。さらに同氏は、

「業界が州および国レベルでの合法化を推進し続けることができれば、パンデミック後、大麻草をめぐる動きは肯定的で影響力のある住民運動となるだろう」と語った。

ウィスコンシン州を拠点とする従業員50人のダイナバップは、5月に人員を増強し始め、最近、「Orion」と呼ばれる誘導加熱器など、いくつか新しい製品をリリースした。

世界的なパンデミックの発生から6か月が経過した今、前述の各メーカーは需要増に対応すべく増産と人員増を図っており、大麻市場は勢いよく拡大しているようだ。

キャノピー・グロースのリトイネック氏は、ここ数か月間が大麻業界のターニングポイントになったと考えている。それは、大麻の合法化(および課税)による経済的影響のみを指しているのではない。消費者が大麻に対して洗練された感覚を持つようになっている、と同氏は言う。

「消費者は違法の雑草にではなく、より高級な商品にお金を使うようになっている。パンデミックの最中にカテゴリーが成熟していくのは良い傾向だ。吸入器や高品質の消耗品が売れるようになっている。これは大麻が受け入れられている証だ。今後業界が追い風に乗って、この暗黒の時期を可能な限り早く脱出できることを祈るばかりだ」とリトイネック氏は語った。

参考:Tech Crunch – コロナ禍に大麻吸入器メーカーの売上が急増、全米での合法化を見据え転換期を迎える大麻業界

ストーズ・アンド・ビッケル社は名機ヴェポライザーの製造メーカー。
他にもGペンやパフコ、パックスといった人気ヴェポが取り上げられています。
間もなくの大統領選が、これをさらに後押しするか・・・?

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「地産地消」で拡大する米国の大麻業界、約25万人の雇用を創出

2020年10月5日 月曜日

「地産地消」で拡大する米国の大麻業界、約25万人の雇用を創出

米国では約25万人が大麻関連の業界で働いており、大麻の合法化が新しい州に拡大し、市場規模が膨らむにつれて、その数は大幅に増加するとの見通しが、Leafly.comの最新のレポートで示された。

大麻関連の雇用が最も多いのは、最も早く医療用マリファナを合法化したカリフォルニア州で、最初にレクリエーション使用を合法化したワシントン州とコロラド州が、それに次ぐ規模となっている。さらに、オクラホマ州のような保守的な州でも、大麻によって新たに何千もの雇用が創出される見通しだ。

大麻業界に特化した人材派遣企業FlowerHireのCEOであるデビッド・ベルスキーによると、この業界では農業やマーケティング、化学試験に関わる高度な専門的知識が求められている。給料は州によって大きく異なるが、あらゆる教育レベルの人々にふさわしい仕事が、この業界には用意されている。

大麻プロダクトの配送を行うドライバーや、栽培を手がける職種に加え、小売店の販売員や金融の専門家、博士号を持つ化学者など、様々なカテゴリで働き手が求められている。

伝統的な企業での経理や法務、セキュリティ、製造、小売などの職務の経験を持つ人々は、大麻業界にその専門的な知識を適応させ、活かすことが可能だ。さらに、「コンプライアンス・ディレクター」や「大麻栽培ディレクター」などのポジションでは、より専門性の高い知識や経験が求められる。

ベルスキーによると大麻関連の仕事のユニークな点は、「州外への移動ができないこと」だという。これは、大麻が州境をまたいで移動することを連邦政府が禁じているからだ。大麻は、消費される州で栽培、加工、販売されなければならない「地産地消」のルールに縛られている。

転職サイトのGlass Doorで最近掲載された大麻関連の人気の職種リストには、ブランド・アンバサダーやセールス・マネージャー、リテール・アソシエイト、デリバリー・ドライバー、セキュリティなどが並んでおり、大麻関連の店舗数の増加を反映している。

テクノロジー企業でも雇用創出の期待

各州の大麻市場は地域の事情に応じた発展を遂げており、求人にもその特性が反映されている。デリバリーが許可された州では、ドライバーや警備員、車両メンテナンス関連の求人が増えている。小売店が増加している州では、マーケティング関連の人材が求められている。さらに、クラブなどでの使用の合法化が検討されている地域では、飲食業や娯楽産業で新たな雇用が創出されることも考えられる。

また、新規に合法化が進む全ての地域で、シード(種)や販売を追跡するソフトウェアの需要が高まり、テクノロジー関連の雇用も新たに生まれそうだ。

「医療目的や娯楽目的を問わず、大麻の需要は伸びており、この分野の雇用も拡大していく見通しだ」と、ベルスキーは話した。「その他の業界の雇用は減少傾向にあるが、大麻業界の雇用は伸びている」と彼は続けた。

参考:Forbes Japan – 「地産地消」で拡大する米国の大麻業界、約25万人の雇用を創出

地産地消も悪くないケド、やっぱ連邦法で合法になってほしいナァ

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日本とニューヨーク「大麻所持」のインパクトは、ここまで違っていた…!

2020年9月27日 日曜日

日本とニューヨーク「大麻所持」のインパクトは、ここまで違っていた…!

大麻が違法のニューヨークであっても

ヘルメットをかぶった工事関係者の男性が、公園の外側に置かれたベンチに座り、紙に巻いた大麻(マリファナ)を吸っている。警官がその前を歩いて通りすぎる。男性は吸い終えると、吸い殻を道路に捨て仕事現場に戻っていった。最近のニューヨークでは見慣れた光景だ。

マンハッタンは1日歩いているだけで、必ずどこからか大麻の匂いに遭遇する街でもある。新型コロナ渦においては大麻を自宅アパート(マンション)で吸う人が増え、友人も「同じフロアに吸っている人がいて大麻の燻された匂いがベランダからする」と話す。

個人的にも隣に建つアパートの住人が突然やってきて「大麻を吸っていませんか?」と聞かれたこともある。その住人の自宅アパートの部屋は、大麻の煙と匂いが隣接する筆者アパートからの風の通り道になっているらしく、わざわざ別棟のアパートの住人たちの部屋を一部屋ずつまわっていた。“犯人がわかれば”苦情を言おうとしていたのだ。だが、筆者は大麻を吸わないし、必要ともしていない。

だから完全な人違いなのだが、大麻が違法のニューヨークであっても、こういう日常になっている。これにはニューヨークの警察が、大麻を取り締まりから基本的に除外していることが関係している。

現在ニューヨークでは大麻を所持していることは違法だが、少量所持と使用であれば逮捕されない。ようするに大麻の吸引には刑事罰がなく、民事上の違反となり、罰金のみで済む。もし罰金が不服であれば警官からその場でチケットを切られ、裁判所で戦うことになるが、よほどでない限りしないだろう。近いイメージとしては駐車違反で罰金の有無について警察と裁判所で争うようなものだ。

そして現実には、ニューヨークで大麻使用者に対してほとんど罰金徴収されておらず、前述の通り大麻を吸っている人が目の前にいても警官は取り締まっていない。つまり現在、ニューヨークは大麻解禁の前段階に入っているといっていい。現時点でのニューヨークの大麻所持の罰金と罪の基準については以下の通り。

28g以下…罰金50ドル(約5500円)、刑事罰なし
28g~56g…罰金200ドル(約2万2000円)、刑事罰なし
56g~224g …罰金1000ドル、刑事罰1年
224g~455g…罰金5000ドル、刑事罰4年
455g~4.55kg…罰金5000ドル、刑事罰7年
4.55kg以上…罰金15000ドル、刑事罰15年

通常、大麻の使用量は1回0.1g〜0.2gとされている。だから、1gの大麻は約5回から10回分ということになり、罰金50ドルとなっている28gの大麻所持というのはジーンズのポケットに入りきらないくらいの量になるだろう。つまり、刑事罰が発生する56g以上の大麻所持の場合は、もはや大麻所持者というより、大麻の売人への刑事罰ということがわかる。

市民は大麻を危ないものと認識していない

ニューヨーク市での大麻による逮捕者は、ここ数年で急速な減少傾向にあり、2019年には逮捕者が約1500人にまで減り、2020年においては6月までの半年でたったの228人になっている。(ソース:NYPD Marijuana Arrests)

ほとんど逮捕していない理由としては、州知事をはじめ、市民が大麻を危ないものと認識していないことが大きい。ニューヨーク州は2014年に医療用大麻の使用を認め、2019年には過去に大麻で有罪判決を受けた人の犯罪履歴を消す法律にクオモ州知事は署名している。来年あたりには嗜好用大麻が解禁されているだろう。東海岸ではボストンがあるマサチューセッツ州やメイン州、バーモント州がもうすでに大麻が完全に合法化されている。

アメリカ全50州での大麻の解禁状況は以下の通りになる。

大麻完全合法化:11州およびワシントンDC
医療用大麻解禁:33州(合法化11州およびワシントンDC含む)
使用に刑事罰なし:27州(合法化11州およびワシントンDC含む)
(ソース:DISA GLOBAL SOLUTIONS MAP OF MARIJUANA LEGALITY BY STATE)

ニューヨークではクオモ州知事が大麻解禁に賛成で、デブラシオ市長が大麻解禁に反対していた。2019年に大麻解禁の意思表明をしたクオモ州知事は、2020年の1月にも大麻解禁の意思を再表明している。州と市は神奈川県と横浜市、大阪府と大阪市の関係に似ており、市のほうが人口密度も高く、都市化しているが、公衆衛生において権限を持っているのは州になる。

ニューヨーク州は2019年に大麻を公衆衛生法に入れており、タバコを吸ってはいけない場所は、大麻も同様に吸ってはいけない場所に追加した。例えばニューヨークでは、公園内やホテルの部屋などでのタバコの喫煙は禁止されている。そこに大麻を追加したのだ。これは裏を返せば「禁止されていないところでは大麻を吸っていい」という意味になっている。

しかし、ニューヨークでは大麻使用による凶悪犯罪も起こっていない。毎日のように暴力事件や発砲事件があるニューヨークでも、大麻常習者による事件は聞いたことがないのだ。薬物中毒者による犯罪のほとんどは、大麻以外の別の薬物摂取による「ハイ」の状態によるものだろう。もし、日本で大麻常習者が暴力的な犯罪を起こしたのであれば、その人物が別の薬物を併用していることを強く疑ったほうがいい。なぜなら大麻は、基本的に気分を落ち着かせるためにあり、高ぶらせるために使用する人はいないからだ。

だからこそ痛みや鎮静の作用を目的として使用する医療用大麻がアメリカで解禁されていっている。最近では向精神作用の低い医療用大麻の栽培も始まっているが、医療用といっても広くは大麻の呼び方の違いにすぎない。

アルコール中毒者に対しての配慮

そもそもニューヨークでは大麻所持より、お酒の所持のほうが厳しいといえるかもしれない。公共の場所(歩道、公園、地下鉄など)での飲酒は違法。公園内でも道ばたでも、お酒を持ち歩くにしてもラベルが見えるように持つことは禁止されている。

おそらくアメリカの映画で茶色い紙に包んでワインを持ち歩いているシーンを見たことがあるかと思うが、あれはお酒のボトルやラベルを隠すためにある。ボトルやラベルを見せないということは、いわゆるアル中に対しての配慮(お酒を想起させない)であり、それだけお酒に常習性、依存性があり、お酒を危険視しているということでもある。これはニューヨークでタバコの販売店はタバコのパッケージを見せるように販売してはならない、というルールと同様の措置だ。

また、市民レベルによる大麻への理解にはCBD製品※1が貢献したことも大きい。ここ数年で大麻の代替品ともいえるCBD製品は、急激にニューヨークで市民権を得た。簡単に書くと、大麻草にはTHCとCBDという成分の分子式があるが、両者は構造式が異なる。THCは精神作用が強く、CBDは精神や神経系への悪影響がない(WHOも公式発表)。

ニューヨークでは、CBDの成分だけを大麻草から抽出した製品が街で堂々と売られている。それは数滴飲むタイプのものであったり、ボディオイルであったり、チョコレートであったりする。THCの含有率が0.3%以下であればどんなCBD製品であっても合法なので、街のカフェでCBD入りのコーヒーが売られているほどなのだ。ちなみにペットの犬用CBD製品まである。

CBD製品を毎日使用し、なおかつ販売している女性は「ほとんどの人がCBDについて誤解しているわ。同じ大麻からできているTHCとCBDだけどまったく別物。CBDは痛みや炎症にも効いて気分が落ち着くのよ」と語る。そしてCBD入りバームを手に持ち「このバームは体の局所的な場所に塗るだけで鎮痛剤のように使えるわ」。

教会内で開催されたCBD関連の販売イベントで、CBD入りのハチミツを売る男性は「CBD入りの製品を摂取することでリラックス効果があり、睡眠障害も抑えることができる」とも話す。

基本的に大麻は、覚せい剤などと違い、リラックスを求める人が使用していたが、合法であるCBD製品ができたことによって、違法な大麻を吸わなくてよくなったということにもなる。

実際に、CBD入りのコーヒーやハチミツを試飲・試食してみたが、なにか強烈なものがこみ上げてくるわけではなく、なんとなくお風呂上がりのような感じかな、という程度である。おそらく日常的に飲んだ場合や、ボディクリームなどを塗り続けた場合に効果を感じることができるのだろう。

※1 CBD…カンナビジオール。大麻草から抽出される天然成分の一つ

吸いたい人は吸えば、といった感じ

いずれにせよ、大麻の代替品ができたことにより、ニューヨークの人たちの嗜好用大麻解禁への熱量は下がっている。吸いたい人は吸えば、といった感じなのだ。

むしろ、大麻解禁に積極的なのは市民より州政府にある。嗜好用大麻が解禁されれば、ニューヨークの税収になり、新型コロナでダメージを受けた経済の立て直しの一部にもなるからだ。クオモ州知事はニューヨークで大麻が解禁されると「大麻によって州が得られる税収は年間3億ドル(約330億円)と試算されている」と語っている。また、合法化されることにより闇で販売されている大麻を駆逐することもできるので、犯罪組織への打撃にもなるだろう。

ここまで書くと個人的に大麻やCBDを推しているかのようだが、そういうわけではない。むしろ、やめたほうがいいとさえ思っている。しかし自分に必要ないからといって非難するのは不寛容だろう。世の中に自分にとって不要なものはいくらでもある。

基本的には、なにが危険でなにが安全かを研究によって証明されたのであれば、それに応じて法律なり社会なりを変えていけばいいと考えているだけにすぎない。また、刑事罰のある日本国内から、誰かが個人的に「大麻について」発信するとなると、なにかと誤解を生みやすいだろうとも思っている。

法律に関しては、どこの国のどんな法律でも「違法」と定められているのであれば従わなければいけない。しかし、日本での報道を見ていると、大麻による逮捕後があまりに過酷ではないか、と感じている。人は誰しもが失敗をする。ときには法を犯すこともあるのだろう。ただし、アメリカでは一度失敗した人をいつまでも「失敗した人」としては扱わない。

日本では忘れた頃に出てくる芸能人の大麻による逮捕でも、再起不能になるまで社会的制裁を加えている。別に大麻を使用した芸能人をかばうつもりはないが、アメリカの半数以上の州では駐車違反程度の罪に「麻薬を使った悪い人」とする必要があるのだろうか。ちなみに日本では、戦後の新字体になるまで覚せい剤などの「麻薬」は「痲薬(しびれる薬)」であり、日本の神社の神事などで使う「麻」と「痲」はまったくの別物にしていた歴史もある。

現在では大麻と麻薬の漢字が似ているから危険なイメージがあるのかもしれないが、大麻の場合、大麻をやめれば社会復帰もそう難しくない。他のドラッグのように強い依存性がないからだ。ダルクのような薬物依存症の自助施設に通う人のほとんどは、大麻以外のドラッグによるものでもある。

大麻の依存性に関しては、お酒やタバコよりも低いとされている。この依存性について、日本では過度に恐れられているが、海外旅行に行って、白米を食べたくなるのも一種の「白米の依存症」である。当たり前だが、西欧諸国の人たちは白米に依存していないのでほとんど食べない。ニューヨークでも自宅に炊飯器がある人は少数派。だから依存性自体は、白米と同様に「健康を害する摂取量なのかどうか」がポイントになる。もちろん、お酒もタバコも大麻もなにもしないにこしたことはないが、実際のところは程度の問題だろう。

世界では大麻の研究が進み解禁の流れにあるなか、日本は大麻に関してなんら議論もせず古い法律のままでいる。逮捕者は自業自得、で済ましているからだ。今後も日本では逮捕者が増え続けるだろう。警視庁によると大麻摘発は2019年に4000人を超え、6年連続で増加している。

参考:現代ビジネス – 日本とニューヨーク「大麻所持」のインパクトは、ここまで違っていた…!

吸いたい人は吸えば、といった感じ
これで十分。大麻愛好家をいじめないでください、よろしくお願いします!

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