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| 大麻取締法違反被告事件[意見陳情書] |
私に掛かる大麻取締法違反被告事件について、東京地方裁判所刑事第六部が平成五年●月●日に言い渡した判決に付された「当裁判所の判断」と「刑の理由」について反論しますので、誠実で公平な判断を求めます。尚、解りやすくするため別添のとおり判決文の各部分を箇条書きとしました。
『当裁判所の判断』について
一、人間がその体内に摂取する総ての物質(食品、調味料等を含む)において、有害か無害かの判断は単純な二元的分類法では不可能に近い事である。一般に無害といわれている物質でも過度に摂取すると害が生じる場合がほとんどである。又、有害性、無害性の程度についても適格に表す事は不可能に近い。しかし、大麻は他の薬物(酒、煙草、市販の口経薬物等を含む)と比較しても薬理的害はほとんど無く、むしろ現代では世界中の医師や科学者、薬物専門家の間では「大麻は人体に対して多くの点において有用な薬理作用がある」と認識している。
二、大麻における幻覚、幻視、幻聴等の向精神作用は現時点では完全に否定されている。「幻覚」という言葉の定義上、人間の意識が変化した状態で生じる感覚を幻覚と呼ぶのであれば、それは存在するが(飲酒においても同様のことが生じる)全く無いものが見えたり聞こえたりする幻視、幻聴は皆無である。
三、幻視、幻聴については論外であるが、大麻の使用によって意識が変化した状態で生じる感覚が無害であるとは考え難い事は、それを経験した事の無い者にとっては当然である。しかし、経験した者にとってはそれが有害であるとはどうしても考えられないのである。実際に大麻の影響下での犯罪やトラプルは酒や覚醒剤のそれと比べると皆無である。そもそも「精神」の事が科学で解明されていないのだがら、大麻の向精神薬理作用が無害とが有害とか証明する事は不可能なのである。
四、自動車の運転等、機械操作能力の損傷は大麻の場合極めて少ない事がすでに証明されでいる。個人差があるので一概には言えないが、私の場合に関しては大麻が運転に悪影響を及ぼすどころか、むしろ吸引後に運転した方が速度は緩やかになり集中力が増し安全運転になった。又、仮に車の運転時に何らかの悪影響が生じるとしても、道路交通法において薬物使用時の運転等は禁止の法的罰則が科されており、その事をもっで大麻取締法の正当性を主張することは出来ない。
五、具体的な有害性については否定も肯定も出来ない。
六、先にも述べたように、人間が摂取する総ての物質の中には有害な点を見出す事が出来るものが多い。有害な部分にだけ焦点をあて、有害か無害かという二元的な考え方で結論を出すことは出来ない。つまり無害であると証明は出来ないが、有害なものと言うべきでもない。
七、三権分立の大原則を踏まえて考慮するならば、司法機関である裁判所は大麻について十分検証し、公平な立場から立法機関に示唆する義務がある。
八、大麻取締法は占領軍に強要されて成りたった法律であり、当時国会で大麻の有用性、有害性については十分な討議が行われ無かった。つまり、立法の根拠、過程が極めて不明瞭な法律であり、なおかつ同法の立法時に国会の裁量権にのみ一任されていたとは言えない。立法機関である国会が外圧により制定した悪法を、司法機関である裁判所が公平な審理の後その撤廃を示唆するのは当然であり、ひいてはそれが三権分立の大原則である。
九、より有害なものが規制されていないのに、より害の少ないものが罰則をもって規制されているという事態を生じさせている国会の裁量権の行使の仕方は、合憲、違憲を問わず明らかに理不尽であり、このような国会の理不尽な裁量権の行使に対してたとえそれが立法化されていても、司法機関である裁判所は理をもって示唆すべき義務がある。
十、確かに、大麻が一般的に知られていない現時点においては、大麻がなくとも社会生活に困難が生じる事は無いが、大麻があった方がより社会生活に有益であるということも考えられる。例えば、他国の医療機関の研究によるとアルコールや薬物依存症患者の治療に効果があり、患者の発生率抑制にも効果があるというレポートが出されており、ひいては、それらに伴う犯罪やトラブルも激減するであろう。
十一、刑の上限が重い事はもちろんであるが、刑の下限を考えても非常に重いと言える。確かに他の犯罪に比べると初犯の場合、栽培でも最高刑期七年に対して執行猶予付の判決が出るのだから軽いように思えるが、もともと大麻取締法違反は被害者なき犯罪であり、本件においても披害者は何処にも存在しない。つまり本質的に他の犯罪とは異なったものであり、他の犯罪に対する判例と比較する事は出来ない。だれにも迷惑をかけずにただ個人的な楽しみとして大麻を栽培、吸引していた者が、突然逮捕され一ケ月以上もその身柄を拘束されるのである。しかも拘置所に入所する際には検便と称して、肛門を棒で一突されるのだが、その屈辱感は経験した者なら誰もが語るところである。これは憲法で禁止された残虐な刑罰にあたることは明白である。
『刑の理由』について
大麻取締法が正当なものであれば、法律に従って適性に処罰するのは当然である。しかし、大麻には幻視、幻聴等の向精神作用は薬理的に無いと、緒外国の研究機関においては認識されているにも拘らず、いまだに我国の法廷においては判決文中にもちだしていることからも判るように、大麻に関して十分な検証が行われていない事は明白である。討議も十分にされないまま可決された占領軍立法を、ただ盲目的に施行する事は民主主義社会においてはあってはならないものである。また、江戸時代に煙草を吸うと首をはねられた時代があったように、いつの世にも悪法は存在し時の流れとともにある時点をもって改正されて来たのであるが、その改正される時点で被告人同士の刑の均衡がとれないという事態が生じるのは仕方のない事である。つまり、刑の均衡がとれないことをもってして、無罪判決を言い渡せない理由には成り得ないのである。| 1 判決書 | 2 意見陳情書 | 3 意見書 |
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